糖尿病と血糖値

糖尿病の患者さんにとって、血糖値は体の状態を表わす重要なパロメーター

糖尿病の患者さんにとって、血糖値は体の状態を表わす重要なパロメーター血糖とは、血液中に含まれる糖(ブドウ糖)のことで、糖尿病とはこの血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高くなる病気です。
通常、食事から取り入れた糖が身体や頭のエネルギー源として利用されており、血液中のブドウ糖の濃度は一定に保たれています。
これは、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが、血液中のブドウ糖を細胞の中に取り入れる役割をしているからです。このインスリンの量が不足したり、働きが悪くなったりすると、糖が血液中に停滞し、血液中のブドウ糖濃度が高くなり高血糖状態になるのです。
血糖が高いということは、体の細胞にエネルギーであるブドウ糖が十分に補給されず、そのため全身の細胞の働きが悪くなり、いろいろなところに障害を引き起こします。これが糖尿病の合併症です。 そのため、糖尿病の治療は、この血糖値をコントロールすることが重要になります。
血糖値の変動が身体の状態を表す重要なバロメータになり、糖尿病治療や管理の指標として欠かすことができません。

血糖値がなかなか下がらない…

血糖値がなかなか下がらない…きちんと量とバランスをコントロールした食事を摂っている、適度に運動もしている、処方されたお薬も飲んでいるのに、なかなか血糖値が下がらない――。そんなお悩みを持って当院を受診される患者様は少なくありません。
その原因には、以下のようなことが考えられます。当てはまるかもしれない、と感じたときには、西宮市のあずま糖尿病内科クリニックにご相談ください。

自分なりの食生活が間違っている

自分なりの食生活が間違っている食べる量をコントロールし、栄養バランスに気をつけましょう、ということは、どこのクリニックでも指導されます。
しかし、1日3食を決まった時間帯に取る、間食をしない、食べる順番に気をつけるといった細やかな指導、またそれらが必要な理由の説明までは、なされていないところも多いようです。
改めて、食習慣の見直しも図りましょう。当院では、なぜその見直しが必要なのか、といった根本的なところからお話し、納得していただいた上で、前向きに食事療法に取り組めるようサポートいたします。

薬を飲む時間やインスリン注射を打つタイミングが合っていない

薬の種類はもちろんですが、それを飲む時間帯、インスリン注射を打つタイミングが、ベストではないということも考えられます。

薬やインスリン注射が効きにくい

薬やインスリン注射が効きにくい薬やインスリンは、太っている方、筋肉量の少ない方、運動不足の方には、そうでない方と比べて効きにくいことがあります。
薬やインスリンの投与は、そういった個々の身体やライフスタイルに応じて調整しなければなりません。

腎臓や肝臓の機能が低下している

腎機能や肝機能が低下している場合には、薬やインスリンによって低血糖状態に陥りやすくなります。かといって、量を減らせば血糖の上昇を抑えられなくなります。
この場合、基本的にはインスリン療法が必要になります。インスリン療法に対するご不安もあるかもしれませんが、長期的に見ると、糖尿病治療においてより確かな効果が期待できます。

その他

その他、以下のような理由により、血糖値がなかなか下がらないということが起こり得ます。

  • 同じ部位にばかりインスリン注射をしている
  • 適切な単位数でのインスリン注射ができていない
  • 胃腸の障害によって腸でのブドウ糖吸収がうまくできていない
  • 血糖値を乱す甲状腺疾患などがある
  • 長くインスリン注射を行っているために抗体ができている

血糖値の一日の動きとインスリンの分泌

血糖値は健康な方でも1日の中で70~130mg/dlの間を変動しています。
これは、食事をとると炭水化物がブドウ糖に分解されて血液中に入るため、健康な方も食後は一時的に血糖値が上昇します。

食事により急激に多くの糖が血中に流れ込むと、膵臓にあるβ細胞が感知してインスリンを急激に分泌します。これにより血糖は食前の状態に戻ります。

血糖値の一日の動きとインスリンの分泌

このため、血糖は変動を繰り返しながら一定の濃度に保たれています。
しかし、このコントロールを行っているインスリンが不足したり、あるいはインスリンの働きが弱くなったりすると、血液中に多量の糖が存在することになってしまいます。
糖尿病の患者さんの血糖の一日の動きとインスリンの分泌は以下の図のとおりです。

血糖値の一日の動きとインスリンの分泌

このインスリンの不足を補うために、お薬や食事療法、運動などを用いて治療を行います。

血糖値の変動の幅にも注目します

健康な方でも血糖値は変更しますが、この変動の幅(波)が大きい場合は注意が必要です。
例えば、HbA1cの数値が正常でも食後の血糖が高いために一日の血糖値の変化の幅が大きい場合があります。
これは、空腹時に血糖が下がっており、インスリンの分泌が遅いため食後に血糖値が上昇します。トータルには遅れて大量のインスリンが分泌されており、HbA1cの値だけみると異常がないのですが、実際には空腹時低血糖になっているのです。
1日の血糖値の変化の幅が大きいと合併症につながる危険性があるので、注意が必要です。

血糖値の変動の幅にも注目します

食後高血糖について

食後高血糖について空腹時低血糖と逆で、血糖値検査をすると正常であるにも関わらずHbA1c検査が高値の方がいます。このような方は受診の際に食事を抜いていて血糖値は低い値を出していますが、実は食後には血糖値が高くなっているのです。この食後高血糖の方は、食後のインスリン分泌の反応が遅い方です。

食後高血糖では、インスリンの量や働きが低下して、体の組織でブドウ糖を十分に処理することができず、血糖値を正常に戻す働きが非常に弱い「耐糖能異常」の状態にあります。この食後高血糖は、糖尿病の初期にみられることが多いです。食後高血糖は心筋梗塞や脳梗塞など太い血管の動脈硬化を促進することが分かっています。